ファブリー病とは
ファブリー病は、ライソゾーム病の1種でX連鎖性の遺伝形式をとる、全身に症状があらわれる進行性の疾患であり、男女を問わず発症します1,2。
ファブリー病は、ライソゾームに存在する酵素の1つであるα-ガラクトシダーゼA(α-Gal A)をコードするα-ガラクトシダーゼ遺伝子(GLA遺伝子)の変異(遺伝的欠損または活性低下)に起因する疾患です1,2。通常、α-Gal Aにより分解されるグロボトリアオシルセラミド(GL-3)、血漿中グロボトリアオシルスフィンゴシン(Lyso-Gb3)などの糖脂質がライソゾーム内に大量に蓄積することにより、全身のさまざまな臓器が障害されます3,4。
GL-3やLyso-Gb3の蓄積は種々の症状を引き起こすだけでなく、炎症誘発経路を活性化することで症状の進行に影響を及ぼしていると考えられており、心臓や腎臓などの線維化や末端器官障害の誘発因子である可能性が示唆されています3,5-7。
全身に症状があらわれる進行性の疾患であるファブリー病は1
- 多様な症状を示します。
- 患者ごとに症状が異なります。
- 症状の程度にかかわらず重大な身体的・精神的負担をもたらし、患者の生活に深刻な影響を及ぼします。