性別による診断方法の違い
診断方法は男女で異なります。
男性では、血中の白血球または培養皮膚線維芽細胞におけるα-ガラクトシダーゼA(α-Gal A)活性の消失もしくは低下がみられた場合、確定診断となります1。
女性では、血中の白血球または培養皮膚線維芽細胞におけるα-Gal A活性は正常の場合があるため、確定診断にはα-ガラクトシダーゼ遺伝子(GLA遺伝子)変異の同定が必要です1,2。
ファブリー病の確定診断は困難で、時間を要します。
ファブリー病と確定診断されるまでに、患者は平均して10名のさまざまな診療科の専門医を受診すると推定されており、男女ともに発症から確定診断までに約10~15年かかるとされています1-3。ファブリー病の家族歴がある場合では、より早期の遺伝子検査、それ以外の患者では新生児スクリーニング検査を実施することにより、確定診断までの時間を減らすことができ、ファブリー病患者を発症前に特定できる可能性があります。発症前に確定診断がなされれば、個々の患者に最適な治療を長期にわたって行うことが可能となります2。
ファブリー病患者がいる家系では、GLA遺伝子の同定と家系調査を行うことによって、病因となる遺伝子変異を特定できます。これにより、親族の中から潜在的なファブリー病患者を見つけることができます2,4。